ロックなブログ

洋楽・邦楽の新作や名盤を自分なりの視点で解説します。

ONE OK ROCK 新作「Ambitions」全曲解説(和訳 歌詞有) 3曲目『Taking off』 

ボーカルとギターのユニゾン=ロックのかっこいいの定義 

 

横揺れ16ビートのリズムが特徴的でお洒落な曲です。

サビの締めのフレーズ『'Cause I'm never gonna let it go』 のところのメロディとアレンジがこの曲の決め手です。

ギターとボーカルのユニゾンです。

と、ここまで聞いて(『Bombs away』『Taking off』)思うことがあります。

昔のかっこいいロックバンドの定義の一つにボーカルとギターが並んで立つとさまになる!というのがありました。

ミックとキースしかり、スティーブンタイラーとジョーペリーしかり。

ボーカルとギターが際立つというバントとワンオクは違いますが、今回出だしの2曲聞いて(イントロダクション除く)思うのは、アレンジなどでボーカルとギターのかっこいい掛け合いという昔からのロックの良さを伝えようという意識があるのではと思いました。

『Bombs away』の歌いだしのボーカルとギターのみの掛け合い、『Taking off』のサビの締めのボーカルとギターのユニゾン

まだ2曲ですがタカとトオルにそんな昔からのロックのかっこよさの定義(ボーカルとギターの掛け合い)を感じる出だしの2曲です。

 

 

『Taking off』 

同じ習慣に凝固まっている

空虚な夢を抱えて生きている

朝目覚めようとした時

考えたよ 軌道修正しようと

そして今 終わりのない夜を迎えた

一体俺達をどこへ連れていくつもりだ?

分かっている 俺が愛しているものすべてが

俺をゆっくり蝕んでいくってことがね

分かっている

俺達は一緒に飛び立とうとしている

粉々になり 燃え尽きるのが常だけれどね

今夜君と俺は空から真っ逆さまに落ちていくだろう

地獄までずっと引きづられていく

だって俺は必死に抗うからね

 

 

ONE OK ROCK 新作「Ambitions」全曲解説(和訳 歌詞有) 2曲目『Bombs away』 (Bombs awayの意味は爆弾投下!)

Bombs awayの意味は爆弾投下!! 

 

ワンオクのいよいよ本格的に世界にうって出るアルバムが発売されました。

正確には明日が発売日ですが前日店頭に並び無事入手いたしました!

イントロダクション(Ambitions(タイトル曲))から2曲目へ続きます。

この2曲目がもう最高です。

妖艶な女性ボーカル(エンヤっぽい!?)からはじまり(もしかして声に聞こえますがシンセかもですね)ビブラートがかかったシンセ音に導かれ歌が始まります。

シンセ音はメロトロンにも聞こえますしトレモロエフェクター)がかかったギターにも聞こえます。

メロトロンは70年代にツェッペリンがよく使用していた楽器です。

このイントロだけでもうアルバムの期待が膨らみます。

前作はイントロダクションに続いていきなりドストレートの8ビートでしたが

(Take me to the top)でしたがもう少し重厚なはじまりがよかったと

思っておりました。

今回は重厚に始まります。

ボーカルとギターだけで始まる感じもかっこいいです。

ワンフレーズ、歌とギターで始めてからリズム隊が続きます。

この曲だけでアルバム語るわけにはいきませんが、前回がキレキレで

世界に対して全力で挑む・・・という感じでしたが今回は余裕やキャパが

拡がりその分凄みが増した・・そんな2曲目です。

この始まりの曲こそいよいよ邦楽とか洋楽とがの壁を取っ払った最初の曲に

なるかも、と思わずにいられない最強のロックソングです。

 

 

Bombs away

 

これは僕と君にとって終わりを意味するんだ

僕は決して戻らないよ

僕の壊れた心が 暗闇に消えていくまではね

もし今可能であれば

君に未来を見せてあげるよ

燃え尽きる 燃え尽きる

それは確実なんだ

高く登れば登るほど

あの世に近づいていく

高く登れば登るほど

(コーラス)

1.2.3 爆弾投下だ

より良き日のため 君を救い出すには

これしか方法が無いんだ

でも 僕らは落ちていく

もう手遅れだって 僕も君も分かってる

1.2.3 爆弾投下だ

今 僕らは落ちていってるんだ

(日本語歌詞 始)

つけいる術なく ただ立ち尽くした

叫ぶ声もむなしく to fade to black

エグられた感情に痛みも涙も

(日本語歌詞 終)

 

高く登れば登るほど

あの世に近づいていく

高く登れば登るほど

 

デカい声で歌うんだ そうすれば自分にもよく聴こえるから

僕の頭の中でね

落ち着かないんだ

今にも切れそうな糸で吊り下げられてるんだ

僕の想像の中ではね

RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説(歌詞有) 15曲目『告白』

 友人の結婚式で歌った曲

 

アルバム発売日翌日より1曲づつ更新してきましたRADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説は最後の曲、15曲目の『告白』です。結婚を決意した男性(新郎)の曲というのは歌詞を見て感じますが、それもそのはず野田さんが友人の結婚式に列席する際に歌をお願いされ作って結婚式で歌ったそうです。

ロックにしろバラードにしろ野田さんが作る曲は日本語がメロディにとてもよく合うと感じます。日本のロック創世記は、アメリカやイギリスが本場だとすると向こうのコピーだと非難されたりしました。また向こうの物だけにロックは日本語が合わないとも・・・。実際メロディによってはどうしても英語にしたいと思うメロディは多くあります。そんなことから日本のロックは日本語で歌いつつも英語比率が以上に高かったりします。

この曲(告白)を聞いて思うのは、逆説的な言い方をするとメロディが日本語しか合わない。そう思える曲だということです。

音的に日本的な響きを感じるのは、メロディの仕掛けとかではなく本当の思いが詩になり歌になったからではないでしょうか?もしかしたら、詩が先でメロディが後という作り方なのかもしれません。

野田さんの友人に成り代わり新郎の気持ちを見事に歌にした訳ですが・・・。それにしてはあまりに見事に結婚を決意した新郎にしか作れないような歌になっています。

シンプルで強い気持ちほど、表現方法は普通になりがちです。また、そんなことから、ついつい日本語で言えばいいものをあえて英語にしてかっこつけたくなったりしがちです。

その表現をより強く、そして誰もが知っている普通の簡単な言葉で、それなのに誰もが思いつかない言い回しで表現しているという、詩人 野田さんの真骨頂です。

例えば、 

  • 勇気を振り絞る=未開封の勇気をここで使う

2)周りが言うには絶対なんてない。と 君こそ絶対的な存在。(これをあえてつなげて)  = この世界が言うには絶対なんてないけど 内緒で今 作ろうよ

3)ふたりで一緒に夢をつかもう  = ふたりで一緒に 風邪をひこうよ 午前3時の 夢を抜け駆けしよう

もう見事としか言いようがありません。

 

『告白』

君の未来に 僕の姿を 見るようになったのはいつからだったでしょう
君の未来と 僕の未来が 一つになればいいな なんて思ったのは

いつからでしょう 照れくさいから言わないけど
今日から一つの 未来になろう

笑顔ひとつを作るのさえも 汗かきあたり見渡す僕だけれど
見渡した人のその群れの中に ふとひとつだけ場違いなほど美しい
色の魂 それがつまりあなたでした

「大事なものを 見つけたよ」
そんな声がしたんだ 僕の奥の方から

これほど誰かが僕の真ん中を 一人占めにしてくれるとは
この世界が言うには絶対なんてないけど 内緒で今 作ろうよ

生きる強さも 涙脆さも 少し目立ちすぎだよこの星では
持て余しすぎた この世の神々が キミを僕のとこに送り込んだとしたら

ほんとにありがとう 何度も言うよ
どうもありがとう

大事なことを言わせてよ
いまだ未開封の勇気を ここで使うから

これほど誰かで僕の真ん中が いっぱいに満たされるとは
この世界が言うには絶対なんてないけど ねぇここに一つあるよ

ふたりで一緒に 風邪をひこうよ
午前3時の 夢を抜け駆けしよう

僕の未来に 君の姿を 見るようになったのはいつからだったでしょう
君の未来と 僕の未来を ひとつの意味としようよ今日この場で

これほど誰かが僕の真ん中を 一人占めにしてくれるとは
この世界が言うには絶対なんてないけど 内緒で今 作ろうよ

これほど誰かで僕が真ん中を いっぱいにしてくれるとは
この世界が言うには絶対なんてないけど ねぇここに一つあるよ

 

RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説 (歌詞有) 14曲目『O&O』

RADWIMPS版 名曲ソウル誕生!

 

14曲目は『O&O』です。RADWIMPSはロックバンドですがこうして過去から“黒い音”といえばよいでしょうか、リズムの強い黒人音楽も積極的に取り入れてきたバンドです。ただ昔からのスタイルの音楽でなく比較的最近のヒップホップ(本作では3曲目や10曲目にそれにあたります)です。

この曲はヒップホップでなく昔からの伝統的な黒人の音楽、ゴスペル調のソウルです。日本で言えば久保田利伸さんのようなといえばよいでしょうか?、本物のソウルです。こちらも新機軸ですね!

このタイトルと曲調で勝手な想像ですが、あるバンドのあるアルバムにインスパイアされたのではと想像しております。あるバンド=coldplay(コールドプレイ)  あるアルバム=A Head Full Of Dreams です。そしてそのアルバムの曲とはUP&UPという曲です。こちらもゴスペル調のソウルです。コールドプレイの今年の初めに発売されたアルバムは全米でとても支持され売れまくりました。前作がどちらかと言えば地味で内省的なアルバムだったのですがこのA Head Full Of Dreamsは開かれたオープンでアッパーな明るいアルバムだったのですがそんなバンドの状況も今のRADWIMPSに似てませんか?そんなことでO&O聞いた瞬間にUP&UPを思い出したという次第です。もちろん野田さんがインタビューで言っている問い訳ではないので(私が知る限り)全てが想像でした!ヒップホップだけでなくソウルフルな曲も今後もやってほしいと思える名曲です。ライブではアンコールで豪華に聖歌隊をたくさんつけて聞きたいと思います。(あっ!こちらも勝手な想像です)

 

『O&O』

僕がいなくても 回り続ける世界で
羽根などなくても羽ばたけるよな時代で
君がいなくても 笑える理由を探したよ
そしたら急に 飛び方を忘れたよ

誰かの眉間に 深いシワを寄せてまで
誰かの瞳に涙浮かべさせてまで
譲れないものなど 一つもなかった僕が
なにがなんでもと 言えるものに出逢ったの

なんだろ なんて言うんだろう
この気持ち こう言ったらどうだろう
もう 大げさって言うんだろう
まぁでもいいや いいや もう

これだったか僕が この世に生まれた意味は
これだったか僕が この世に生まれたわけは
晴れた空に君を唄えば 雲が形を変えていくよ
誰がために花は咲くのだろう
信じるに足る足らないとかはもういいの
いいの

涙の向こうに喜びが待っていても
嵐の向こうに太陽が待っていても
向こうに君がいないとしたら 僕は遠慮しよう
一人でここに残るよ

君が僕のこと もしも騙したとしても
気付きゃしないから 何ひとつ構わないよ
誰にも言えない 後ろ暗闇があったら
まずは手を繋ごう 二人だけの本当を
さぁ探しにいこう

言うんだろう どうせ言うんだろう
またバカだって言われちゃうんだろう
もう あいにく慣れたんだよ もういいの いいの

これだったか僕が この世に生まれた意味は
これだったか僕が この世に生まれたわけは
晴れた道で君を思えば 信号は青へと変わるの
誰がために枯れる花はない じゃあ もう いざ

これだったか僕が この世に生まれた意味は
これだったか僕が この世に生まれたわけは
晴れた空に君を唄えば 雲が形を変えていくよ
誰がために花は咲くのだろう
信じるに足る足らないだとかはもういいの
いいの

 

 

RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説 12曲目『スパークル』  映画「君の名は』挿入歌

サントラでバラードバラード力 開花!

 

12曲目は映画「君の名は」のサントラに収録されていた名バラード『スパークル』です。

『前前前世』がサントラのシングルカットとして映画の広告塔でもあり曲単独でも聞かれるとすると、こちらの方はサントラのためだけというか映画とは切り離して聞くというより完全に映画の中の曲として聞くのが正解ではないかと思います。

映画から生まれた壮大なバラードです。

ぜひ新海監督がスパークルMVとして編集したと言われる下記の動画をご覧ください。

音も歌詞も全てが映画のシーンとシンクロしています。

そのために音も詩も下記の動画で楽しむのが正解かと思います。

本アルバムでは、詩の点でも音的にも“名作”と言えるバラードが多く含まれていますが映画のサントラを作る過程で野田さんのバラード力も高まったのではとこのスパークルを聞いて感じました!

 

 

『スパークル』

 

まだこの世界は 僕を飼いならしてたいみたいだ
望み通りいいだろう 美しくもがくよ

互いの砂時計 眺めながらキスをしようよ
「さよなら」から一番  遠い  場所で待ち合わせよう

ついに時はきた 昨日までは序章の序章で
飛ばし読みでいいから ここからが僕だよ
経験と知識と カビの生えかかった勇気を持って
いまだかつてないスピードで君のもとへダイブを

まどろみの中で 生温いコーラに
ここでないどっかを 夢見たよ
教室の窓の外に 
電車に揺られ 運ばれる朝に

運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする
時計の針も二人を 横目に見ながら進む
こんな世界を二人で 一生 いや、何章でも

生き抜いていこう

「初めまして」なんてさ 遥か彼方へと追いやって
千年周期を 一日で息しよう

辞書にある言葉で 出来上がった世界を憎んだ
万華鏡の中で 八月のある朝

君は僕の前で ハニかんでは澄ましてみせた
この世界の教科書のような笑顔で

嘘みたいな日々を 規格外の意味も
悲劇だっていいから 望んだよ
そしたらドアの外に
君が全部抱えて 立ってたよ

運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない 場所で 僕ら遊ぼうか

愛し方さえも 君の匂いがした
歩き方さえも その笑い声がした

いつか消えてなくなる 君のすべてを
この眼に焼き付けておくことは
もう権利なんかじゃない 義務だと思うんだ

運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする
時計の針も二人を 横目に見ながら進む
そんな世界を二人で 一生 いや、何章でも

生き抜いていこう 

 

RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説(歌詞 有) 11曲目『ヒトボシ』

 

11曲目「ヒトボシ」です。「トアルハルノヒ」「アメノヒニキク」に続きカタカナ表記の3曲目ですね。

本作からの新機軸と言っていいと思いますが、開かれたRADWIMPSで捻らないRADWIMPS、ストレートなロックンロールです。

ここで指す新機軸、本作では3曲あると思ってます。2曲目の「光」そして4曲目の「トアルハルノヒ」そしてこの「ヒトボシ」です。

人を星(光)に例えています。歌詞は2曲目の「光」と通じていると感じました。

歌詞を比べて読むと面白いですし意味合いが深まります。

rocks1969.hatenablog.com

ここまで来てアルバムの裏テーマは間違いなく“光”だと気づきます。

本曲の出だしのように暗闇をひたすら走り、走っている方向の先にパ~っと光が指しこんでくるような、アルバム全体がそんなイメージの“光”を感じます。

「どうせ消えていく僕ら・・・・ならば使い切ってやる(たぶん命=光でしょうか!?)」

力強いメッセージです。

 

『ヒトボシ』

暗がりの中走る僕ら Yeah Yeah Yeah
思い出が突き刺さる胸に Yeah Yeah Yeah

いいだろう それでも 止まる理由はないから
友たちの足音 道しるべに

悔しさは置き去りに僕ら Yeah Yeah Yeah
優しさが頬撫でる 泣かないで Yeah

思い出の枝葉に たまに擦りむいたり
赤い血に励まされ 大地蹴る

どうせ見えない明日なんだ 眼を閉じたってかまわないや
たまに肩ぶつかったりして wow wow wow

どうせ小さな光なんだ 言われなくたって知ってるんだ
たまに夜空の星屑たちに 勇気をもらっても いいだろう?

暗がりの中走る僕ら Yeah Yeah Yeah
恥ずかしさが頬染める 隠さないで

思い出は光るけど それだけじゃ僕らの
未来は照らせやしないから

どうせ消えてく僕らなんだ 大事に抱えたとこでいつか
ならば使い切ってやんだ wow wow wow

どうせ小さな光なんだ 言われなくたって知ってるんだ
だからこうして手を取るんだ 少しでも空から 見えるようにと

どうだい? 僕たちの星座はどうだい?
夜空の星たちよ そこから見えてんだろう

どうだい? 夜空に浮かぶ星でさえ
誰のためでもなく 輝いてる事も知らず
歌う

どうせ見えない明日なんだ 眼を閉じたってかまわないや
たまに肩ぶつかったりして wow wow wow

どうせ消えてく僕らなんだ 大事に抱えたとこでいつか
ならば使い切ってやんだ wow wow wow

どうせ小さな光なんだ 言われなくたって知ってるんだ
たまに夜空の星屑たちに 勇気をもらっても いいだろう?

 

 

RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説(歌詞 有) 10曲目 『記号として』

「DADA」進化版の音と「π」に通じる詩の世界

 

10曲目『記号として』です。曲調はハードファンク、ヒップホップな曲です。音的には“DADA”の進化版といったところでしょうか?ファンクな曲だけにベースの武田さんの演奏がひときわ光ります。武田さんはマーカスミラーがお好きだそうで、そんな武田さんのチョッパーが炸裂する曲です。

そして歌詞ですが3曲目のAADAA KODAAAに通じる毒づく方のRADWIMPSです。

記号は言うまでもなく心の通った人間が、大勢の中で埋もれてしまうと物のように、記号として扱われてしまう。それそのものの全否定ということではなく、そんな世の中での迷いをそのまま描き出した内容になっています。

「曖昧なようで 明快なような」 だったり 「喜劇的なようで 悲劇的な」だったりです。

ただしそんな人間の記号化を受け入れているのかというともちろんそうではなくて、

「騙されぬほどに優しく 嫌みにならぬほどに賢く 生きなさい」に対して強い強い抵抗感を感じるということを“あえて言わず”表現していると感じます。

ただただ、憎むべき状態を頭から全否定でなくむしろそうなってしまう(今回なら人間の記号化)ことに対して、背景を充分にわかったうえでの嫌悪感を見事に表現しています。

音は「DADA」進化版と言いましたが、詩の面では「π」の主人公に近いなぁと感じました。

πはいろいろ考えて(例えば、希望を持つから絶望があって希望を持つことの対価にしてはあまりに重すぎる等)結局平均化してしまう(ほどほどの真ん中をとってしまう)という心情を歌った歌でした。

πは自分の意志で平均化してしまうと歌ったのですが、今度は自分の意志とは関係なく記号化されてしまうということを歌っていて立場は違いますが歌詞の題材や手法が同じものを感じました。

ファンの方は2曲ともよく御存じと思いますが知らない方がおられたら、この「記号として」を気に入られたら音で「DADA」、詩の世界で「π」と比べてみるのも面白いと思います。いずれも「絶対絶命」というアルバムの収録曲です。

 

『記号として』

今までの日々 ふと思いだしたんだ
土砂降りの雨の中 飛ぶ飛行機の中で

針と糸ひとつ手渡され 「はじめ」の合図で
針の穴に糸を通す これを繰り返すような Days Ace

これからの日々 ふと描きだしたんだ
上下左右 乱高下 もう吐きそうなんだ

泣いてすがったり 落ちてひろったり 皆様 様々
震える手 霞みゆく視界 僕の指なぜ八本?

ひとっこひっとり殺さずに 誰とも肩ぶつからずに
いじめずいじめられずに 車にはねられぬように

病、火事、事故、地震 日々紙一重でかわしながら
騙されぬほどに優しく 嫌みにならぬほどに賢く

生きなさいとさ はい、そうかい

曖昧なようで 明快なような 繊細なストーリーを
踏み外さぬように 逃さぬように 細心の注意を

あんたに言ってもなんだかさっぱりだとは思いますが
あんたもバッタリ或る日 そっくり 引きずり込まれるさぁ

悲しみの匂いが鼻について 洗い流そうと席を立った
トイレに向かうが そこは悲嘆者の列 嗚咽の列

諦め目を瞑る者 膝をつき許し請う者
腕に針あてて 愛しき人の名を彫り入れる者

彼らの様 横目に 祝杯と声あげる者
着陸までに糸通した 者だけが明日を生きられると

わざとらしくも しおらしく
生きなさいとさ はい、そうかい

天上のようで 地獄絵図のような ぞんざいなストーリーを
一抜けるもよし 駆け抜けるもよし そう究極のチョイスを

僕のそっくりが一人こっそり 非常口の前へ
おもむろにゆっくり ハンドルを切り 制止を振り切り シュートが開き
そんなのほっとけ 落ちたきゃ勝手に させとけそれよりも 針に糸を

曖昧なようで 明快なような 繊細なストーリーを
踏み外さぬように 逃さぬように 細心の注意を

喜劇的なようで 悲劇的な運命 お好きに調理を
つま先立つもよし いきり立つもよし 行け 最高到達点を