ロックなブログ

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RADWIMPS 新作「人間開花」全曲解説(歌詞有) 6曲目 『‘I’ Novel』

 

洗練されたヒップホップ

6曲目『‘I’ Novel』です。

一言で言うと詩も音も洗練されたヒップホップという感じでしょうか?

RADWIMPSのヒップホップ系の曲はアクが強く個性があり一般的なヒップホップを

イメージすると違っていて、ロック系のバンドが遊びでやった感じだったりロックのつもりで始めたらヒップホップになったといえばいいのか、あくまでロックバンドとしてのファンクだったりヒップホップだったりしたと思うのですがこの曲に関して言えば、ロック系の人達がやったでなく本物のリアルヒップホップだと感じました。

この曲だけ先入観なく聞くとドラゴンアッシュです。

本アルバムの中でこの位置にこの曲があることも納得です。

1~5曲はもうぶっちぎりで今のRADWIMPSの最高・最強の状態のまま一気に勢いで駆け抜ける感じできて、ここから少しトーンを落として7曲目からがピアノバラード2作品に続くという流れになるのですが・・・。

ここまで書いて思い出したことがあります。

昨年は洋楽ではMUSE、邦楽ではミスチルの作品が話題になりました。

具体的に正確なコメントは忘れたのですが、MUSEのマシューもミスチルの桜井さんもアルバムという作品に関して似たようなコメントをされているのが印象的でした。

 

今はダウンロードして曲を入れるとアーチストが苦心して考える順番なんか無視して好きなように曲を入れ替えて楽しむことが当たり前になった時代。そんな時代だからこそまたアルバムを一つの作品としてどんな配置で曲を並べるかが昔のように大事になってきている。

 

というような主旨のコメントだったと思います。特にミスチルメモリースティックとCDと2種類の形態で発売され曲数も違うのですが、曲の順番も2種類でまったく違う順序でした。

 

   (昨年のミスチルブログ) 

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧 - ロックなブログ

 

   (昨年のMUSEブログ)

    

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧 - ロックなブログ

 

 

横道それましたが・・・この6曲目を前後意識して聞くと1曲1曲だけでなくアルバムとしても楽しめることがわかるそんな1曲です。

野田さんもきっとアルバムを一つの作品としてどんな順序で配置するかをすごく考えて仕上げたのではないか、そう思います。

 

この曲の歌詞ですが、自分を小説に例えて“I”Novelというタイトルで、出だしで「小説にしたらせいぜいまだ3行目」と出てきます。

アルバムももしかしたら一つの小説を書きあげるイメージなのかもしれませんね。

 

‘I’ Novel

ずいぶん長らく歩いてきたよな
そんな気がしてただけなんだ
小説にしたらせいぜい
まだ3行目あたりのこの人生
カバーもまだ題名もまだ
決まらずに書き始めちゃったから
どこでどうしてどうなってって
順序良く収まりつかないや

今日はただただもう
さぁダラダラしようとい思うよな
思いにふけてても
早くも僕の胸はもぞもぞと動き出すだって
心臓は脈打ち何CCかの血を
全身へと送り出しを繰り返し
今日も休まず僕は僕を生かし

辻褄合わぬストーリーに
ほろ苦い顔で見るストーリー
誇れる程のものはまだないが
僕だけに光るものはあんだ
塗りつぶしたい破り捨てたい
過去があろうとも汚れのない物語
など僕は惹かれないあぁ一瞬先の自分
さえも待てないよ今すぐでも会いたいよ
うかうかしてらんないの



はみ出した君の痛みが壊れないようにと
涙したひょっとしたらもしかしたら
それはいつかのあの僕だった
輝いた朝の光が
水たまりを蹴って飛び散った
あのどれかが今の君ならいいな 
いいな

どっかの誰かが勝手に
君のことをああとかこうとか
言ったりいつの間にか君のブックの表紙に
名前勝手につけて頭来たよ頭悪いけど
あんたには出る筋合いはねぇから
とっといなくなっとくれ
これ電車賃受け取っとくれ

どにもこうにもいかない時でも
どうにかこうにかここまで来たんだよ
今自信を持って言えるのは
僕を乗りこなせんのは
こいつの勝手がそうわかんのは
他にないんだこのおいらには
このポンコツくらいがちょうどいいんだ
でもあわよくば 
いつの日かこの僕のこと この僕よりも
より分かって笑ってくれる人と
出会えるといいななんて

その時まで待てないよ
今すぐ抱きしめたいよ
この手で温めたいよ


飛び出した白い光が
奇跡と合わさって芽を出した
それが僕ならいいさそれなら
いっそう奇跡使い果たすんだ
溢れ出した君の涙が
無駄にならぬようにと駆け出した
それを見た僕が胸に抱く
気持ちなんて美しいんだ

1秒先で輝いて
見えるものだけ追いかけて
間違いなんてないんだから
そんな言葉を間に受けて
0で生まれた僕なのに
今名前を呼ぶ人がいて
当たり前などないのに
産み落としてくれてありがとう 
ありがとう 
ありがとう


たとえ1ページで終わる命も
1000ページに及ぶ命も
比べられるようなもんではない
同じ輝きを放つにちがいない
曖昧なんの気ない
言葉永遠紡ぐ暇などない
1ページを生きた少年も本には誰よりも光る1行

が 綴られているんだ
そう信じてやまないんだ
もうジタバタしてたいんだ
僕もどれだけ残せんだ
ねぇどれだけ生きれんだ
時間以外の単位で

はみ出した君の痛みが
壊れないようにと涙した
ひょっとしたらもしかしたら
君の優しさの陰だった
輝いた朝の光が
水たまりを蹴って飛び散った
あのどれかが今の君ならいいな
いいないいな